手許に1980(昭和55)年7月に刊行された、昭文社「エアリアマップ 名古屋区分・愛知県全都市地図集」があります。こちらのp37、名古屋市昭和区の地図を見てみると、大高方面から北上してきた現在でいうところの名古屋都市高速3号大高線は、高辻付近で途切れています。

1981(昭和56)年9月30日 、1988年夏季オリンピックに立候補していた愛知県は、 IOC総会での決選投票で韓国・ソウルに27対52で敗れます。

元々、このころの都市高速大高線は、大高以南の知多半島道路の延長区間といった趣が強かったのですが、「名古屋オリンピック」開催に合わせ、高辻以北の都心区間の着工に入る目論見でいたため、オリンピック落選によりその計画も一旦お預けとなってしまいます。

オリンピック落選の要因に関して諸説ありますが、地元の反対が多かったことでIOCに対して心証が悪くなったという見方も有力な説のひとつです。

ただ、ここでいうところの「地元」とは、必ずしも名古屋、もしくは愛知県内の人々を指しているわけではないというのも、ひとつのポイントです。

と書くと、あれから40年近く経った現在にも、何か似たような状況があることが想起されますね。