名古屋・東海ローカルCM 備忘録

名古屋を中心とした中京圏の70年代から90年代にかけて放送されていたCM動画を主に取り上げています。
動画サイトに数多アップされているCM動画を、自分が探しやすくするためのメモみたいなものです。
…のつもりで始めましたが、最近では単なる愚痴や共感を得られるあてもない儚い自己主張の場と化しています。

ブラザー工業(ブラザー販売)

7か8か(ナナカバチカ)



1年半ほど前、我が家の押し入れに眠っていた『ブラザー工業』製の編機「パリエ8(エイト)」が廃棄された話題をお伝えしました。

上のCMは1979(昭和54)年ごろ放送されていた『ブラザー工業』製の編機「パリエ7(セブン)」のCMです。出演は三浦友和さん。山口百恵さんとの結婚はこの翌年のこととなります。

なぜ、我が家の編機が「パリエ~」だったのか、それは三浦友和さんが理由でした。当時「パリエ7」を購入すると三浦さんのポスターがプレゼントされるキャンペーンが行われており、母が三浦さんの大ファンで、ポスターを手に入れる目的でこの「パリエ7」を購入したというわけです。まさしく上のCMが放送されていた時の話ということになりますね。

でも、40数年後に廃棄されたのは「パリエ7」ではなく「パリエ8」でした。それはなぜか。

実は、母が注文したのは確かに「パリエ7」だったのですが、届いたのは「パリエ8」だったのです。「パリエ8」は「パリエ7」の後継機種でしたが、実のところスペックは全く同じ、本体のカラーが「パリエ7」はオレンジ基調、「パリエ8」は若草色基調くらいの違いしかなく、そのくせ価格は6,000円程度「パリエ8」のほうが高額に設定されていました。結局「パリエ7」は後継機種の登場によりその時すでに製造中止となっており、メーカーでも品切になっていると言われて、母はやむなく6,000円高い「パリエ8」を引き取ったというわけです。ポスターがもらえなかったら、おそらく「パリエ8」は返品されていたことでしょう。

ちなみに、母が手に入れた三浦さんのポスターはその後、当時住んでいた愛知県内某市の我が家の居間の壁に貼られていましたが、愛知県を離れる引越の際に剥がされて、そのままどこかに行ってしまいました。

ある時はナース、またある時は



『ブラザー工業』製の電子レンジなんてあったんですね。以前NHKの番組で、『ブラザー工業』さんがミシンに替わる定番の製品を求めて様々なプロジェクトに取り組んでいった歴史が取り上げられていましたが、これもそのうちのひとつだったということでしょう。ただしブラザーさんの場合は、電子レンジの製造が得意というよりも「マイコン」のほうが得意分野だったりします。木内みどりさんがCM中演じわけているのは、このマイコンレンジのことではなく『ブラザー工業』さんの企業姿勢のことを表しているのかもしれません。

白歴史



<ソフトベンダーTAKERU>懐かしの“ゲームの自販機”秘話、NHKできょう放送 早過ぎた配信ビジネスの黒歴史とは(MANTANWEB)

『ブラザー工業』さんの特集というべき番組ではありましたが、反面 “黒歴史” をテーマにした内容であるがゆえに、終始自虐的な(もちろん番組を構成しているのはNHK側で、ブラザーさんではないのですが)雰囲気に満ちた、果たして『ブラザー』さんにとってこの放送は有益なのだろうかと頭をひねってしまうものになってしまっていたのが残念でした。

私のような団塊ジュニア世代くらいまでの人間であれば、先日も取り上げたとおり、家にブラザー製のミシンや編機が存在していたり、毎週月曜日のTBS系「ブラザー劇場」なる放送枠の存在、そして頻繁に流れるCMと、『ブラザー』という企業の存在を全国的に知らない人がいないであろうという認識で一致していると思うのですが、番組の進行を担当した講談師の神田伯山さんは1983(昭和58)年生まれ、彼が物心ついたころの『ブラザー』さんは、まさに番組にも取り上げられていた模索の時代だったのかもしれません。彼の素振りからどうもあまり『ブラザー』さんのことを知らないんじゃないか、という雰囲気が感じられたのも事実です。

まさに「JOYSOUND」は、黒歴史の積み重ねで得た白歴史、といったところでしょうか。しかし「JOYSOUND」が『ブラザー』さんの事業であることはあまり知られていなく、伯山さんに限らず今回の放送を見て知ったという方も多いのではないかと思います。

パリエ8



我が家の押し入れにしまわれていたブラザー工業さんの編機「パリエ8(エイト)」が、もう使うこともないだろうということで先日廃棄されました。確かに、残されていても母しか使用できる者がいなく、その母ももう編み物をしないわけですから、いわゆる「粗大ごみ」なわけです。

でも、それは存在しているだけで貴重な昭和の遺産であるような気がして、私的には「粗大ごみ」とは呼びたくない。私自身使用したことは無くても、「パリエ8」が存在していた懐かしい室内の思い出とか、編機を動かしたときの独特の音とか、心にしみついているのです。

ただ、私に残しておく権限はないわけで、捨てられました。編機に限らず、無意識とためらいの静かな鬩ぎあいに敗れ、日々こうして世の中からいろいろなものが失われていっているのでしょう。もちろん、ローカルCMなんかも、そうでしょうね。

時代を映す鏡



そう言えば、ミシンのCMというものも全く見なくなりました。ミシンのある一般家庭というのも少なくなっているのかもしれませんね。30数年前の段階で『ブラザー工業』さんも情報機器分野へと進出していたのですから、その時代の流れは早い段階で既に予測がついていたことなのかもしれません。ただ、その時代の流れが速すぎて、このCMで取り上げられている製品も、ほぼ過去のものとなってしまっています。

↑ ↑ ↑ ↑ ↑
なんて数日前に書いて、後日アップしてやろうと思っていた矢先、こんな記事・・・。

カラオケボックスで「ミシン」を貸出!? SNSで話題の異色プラン、生まれた理由を聞いてみた(BuzzFeed Japan)

カラオケにミシン・・・と記事のタイトルを見ただけですぐに『ブラザー工業』さんの話題だとわかってしまいました。

ミシンだけに固執してはだめだと進出した情報機器分野のノウハウを生かして立ち上げたのが『JOYSOUND』というわけなのでしょう。しかし一時は時代の寵児だったカラオケも、コロナ禍において大変苦しい状況になってしまった。その打開策として閃いたのが企業の原点・・・ミシンの活用ということなのです。まさに “時代は回る” 。

話をCMに戻すと、ミシンだけ、いや情報機器だけにとどまらず、世の中の移り変わりが激しく、時代を映す鏡であるCMそのものの指向性が全く変わってしまっているのでしょうか。家電などの工業製品に関するものが少なくなり、多いのはゲーム関連、あと通販CMでしょうか。その通販も以前だったらBSなどで頻繁に見かけたものが、地上波のゴールデンタイムで流れたりします。

もしも、「テレビ離れ」が進んでいるのだとしたら、実は「テレビCM離れ」も進んでいるということなりますよね。

褒めているのか貶しているのか



「創造しい」というのは、進歩的な意味の「創造」を、あまり良い印象ではない形容詞の「騒々しい」(=うるさい)に掛けているというわけですが、「~しい」は関西では「~しがちな気質」(例:緊張しい、ええかっこうしい)という意味でも使われるので、このコピーを考えた方は、「創造しがち」という意味も込めていた可能性があります。

先の森喜朗氏の発言ではないですが、前提として「女性はかしましいものである」といった侮蔑的な共通認識があって、でもそれをベースにしてこのコピーでは女性を褒めているわけですが、いくら褒めていようがベースになっている認識が侮蔑しているものであれば、やはり批判は避けられないでしょう。ダジャレとしてはよくできた上質なものなのですが、良い所に着地できない何かモヤモヤするコピーと言えるかもしれません。

よく似た子



最初、山田邦子さんによく似た子だな、と思って見ていたら、なんとご本人登場(笑)。ちゃんと探してきているんですね、似ている子を。

もちろん、お嬢さんのほうはお子さんなので普通にかわいらしいんですが・・・とか言うと、今度は山田邦子さんに対して失礼になっちゃうか・・・・。すみません。

ブラコンCM



やはり、この地方(岐阜市)出身ということが起用のきっかけでしょうか。以前、昭和50年代初頭の『やすいかぐ(安井家具)』さんのCMに岡田奈々さん(何度も言いますが、私はAKBナンチャラは良く存じ上げません)が出演していると取り上げましたが、上のとおり『ブラザー工業』さんの「コンパルDX」CMにも出演なさっていたみたいですね。『日本メナード化粧品』さんのCMにも長い間出演されていましたし。

迫り来るブラザー



私は幼い頃、トンネルの入り口が苦手でした。暗い空間が迫ってくる、またその空間に吸い込まれていくような感覚が怖かったのです。特に、蒲郡から岡崎の本宿へ抜ける新箱根のトンネルの入り口は、ポータルの上部に大きな崖が切り立っており(子供だったので余計にそう感じただけかもしれませんが)特に苦手で、車で通過する際にはよく目を塞いでいたものです。

ちょうどその頃でしょうか、CBCの月曜19時半からの30分は、ブラザー工業提供のドラマ枠『ブラザー劇場』で、この枠では伝統的に『刑事くん』や『刑事犬カール』といった、どちらかと言うと子供やティーン向けのドラマが放送されていました。私が観ていた覚えがあるのは大場久美子さん版の『コメットさん』です。

ところで、この放送枠のオープニングにはブラザー工業のオープニングキャッチがありました。オープニングキャッチとは、一社提供の際、通常の番組でいうところの提供読みにあたるその企業専用に製作された映像を流すもので、代表的なものでいうと、『クイズダービー』(TBS)や『アップダウンクイズ』(毎日放送)のロート製薬、『ライオンのいただきます』(フジテレビ)のライオン、『東芝日曜劇場』(TBSほか)の東芝などがありました。また『テレビあッとランダム』・『出没!アド街ック天国』(テレビ東京)の日産グループや『ふるさと紀行』(東海テレビ)・『旅はパノラマ』(中京テレビ)の名鉄グループのように番組中途や、『すばらしき世界旅行』(日本テレビ)・『日立 世界・ふしぎ発見!』(TBS)の日立グループのように番組終盤に流す提供社名紹介の映像もこの範疇にあたるかと思います(もはや“オープニング”でも“キャッチ”でもないですけどね)。一社提供が少なくなった昨今ではあまり見かけなくなってしまったテレビの“風習”でしたが、最近『SMAP×SMAP』(関西テレビ)の終了時にこのオープニングキャッチが蒸し返すように話題にのぼったりもしました。

で、話を戻して、ブラザーのオープニングキャッチなんですが、これが私には怖かったのです。宇宙のような黒い空間が画面いっぱいに広がって、その中心からゆっくりと社名が大きくなりながら迫ってくるのです。『コメットさん』は観たいのにかならず最初にそのオープニングが流れるのです。「♪ブラザーブラザー・・・」という音楽も怖くて、目を塞いだとしても耳からそれが聞こえてきます。まさに、トラウマなのでした。

ちなみに、この『ブラザー劇場』のあと、月曜20時からやはりCBCで放送されていた『ナショナル劇場』のオープニングキャッチはどうだったの?とお思いになられる方もいらっしゃるかもしれません。宇宙のような空間から社名が迫ってくるあのお馴染みの映像はブラザーのオープニングキャッチと非常に良く似たものでした。確かにこちらも多少気持ちがざわつくものではあったのですが、ブラザーのものほどではなかったです。何がそうさせていたのでしょう。ともかく、名鉄電車で堀田の駅を通過する際には、いつもこのことを思い出してしまいます。



著者近影(ウソ)

記事検索
アーカイブ
コメント
カテゴリー
訪問者数
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

アクセス数

    • ライブドアブログ