今月3日にお亡くなりになっていたことが先日わかった八奈見乗児さんが、1999(平成11)年ごろ「清酒ねのひ・百薬の長」CMでナレーションを担当していました。
声優の八奈見乗児さん死去 「ヤッターマン」のボヤッキー役など(時事通信)
90歳ということは、一昔前であれば大往生とよばれるくらい長命だったということになりますが、数年前にリタイヤをされた頃のお声は、往年の八奈見さんのそれと比べると、やはり張りのない、スピード感のないものとなっていたことは私も感じていました。おそらくご本人がそれを最も良しとしなかったに違いありません。
最初の訃報は「巨人の星の伴宙太役でおなじみの」と出たため、私や周りは「いや、ヤッターマン(他、タイムボカンシリーズ)のボヤッキーだろ」と一斉に不満の声をあげたのですが、あのタイムボカンシリーズの三悪トリオ、小原乃梨子さん、たてかべ和也さん、そして八奈見乗児さんが繰り出す、ノリにノったアドリブや名ゼリフの連発は、まさに主役を食っていました。未だに何かボタンを押すときには「ポチっとな」と言い、女子高生を見かけると「全国の女子高校生の皆さん」と無意識につぶやいてしまう。私の中には八奈見さんのお声が満遍なく染み込んでいるのです。
安住紳一郎アナ 「金スマ」ナレーション・八奈見乗児さん追悼「私のとっても大きな財産になっております」(スポニチアネックス)
「金スマ」の八奈見さん。「ぴったんこカンカン」の滝口順平さん。私と同世代の安住さんにとっては、お二人と一緒にお仕事ができたことが本当にうれしかったのではないでしょうか。また、地元CMをこよなく愛する私にとっては、この声優界のレジェンドのお二人が、ともにこの地方のご当地CMのナレーションを担当されていたことがあるというのも感慨深いのです。(「清酒ねのひ」CMに関しては田の中勇さんもナレーションをされていたことがあります)