名古屋・東海ローカルCM 備忘録

名古屋を中心とした中京圏の70年代から90年代にかけて放送されていたCM動画を主に取り上げています。
動画サイトに数多アップされているCM動画を、自分が探しやすくするためのメモみたいなものです。
…のつもりで始めましたが、最近では単なる愚痴や共感を得られるあてもない儚い自己主張の場と化しています。

三好流水プール

冬の姿



夏季にはプールのCMでおなじみだった『三好リッチランド』。冬季にはプールに氷が張られスケートリンクとして営業されていました。1972(昭和47)年オープン、現在の『みよし市文化センター・サンアート』の場所にありました。

1972年ということは、オープン当初は国道153号豊田西バイパスや名鉄豊田線もまだなく、名鉄豊田線に至っては沿線開発を促すために、あえて国道153号線を避ける北回りのルートで建設されてしまいました。豊田西バイパスの三好町(当時)付近は1987(昭和62)年になってようやく開通しますが、『三好リッチランド』は平成に入ってすぐ閉鎖されてしまいます。CMを見ていて、子供心に不便そうな場所にあるな、なんて漠然と思っていたものです。もちろん、夏季には例年頻繁にCMを見かけましたので、施設自体の認知度は非常に高かったはずですが・・・。

放送禁止用語が含まれるCM



♪夏が来れば思い出す…ではないですが、映像も音も懐かしい『三好流水プール』のCMです。

ただこの動画には、とある言葉の部分にいわゆる「ピー」音が被せられています。オリジナルのCMではこの部分、「○○○○」という言葉でした。現在ではある特定の人種の特徴を示す言葉を含みその人種を侮蔑しているとされている単語です。CM自体は70年代後半から80年代前半までの放送でしたが、当時はこのような編集はされていなかったはずです。確かに幼き日の私はテレビから流れる「○○○○」という言葉を聞きました。おそらくこの「ピー」音は、この動画を公開された方が、公開に当たり自主的に挿入したものではないかと推測します。

平成という時代に突入してまもなく、日本人の人権意識の欠如に対する問題提起が盛んにされるようになりました。中でも、関西在住のとある一家の活動により、黒人を表現している出版物や著作物の多くがこの世から抹殺される(ただし、実際には騒動を避けたい出版社側の自主規制)事態となりました。その結果「ちびくろサンボ」やカルピスのイラストなどが亡きものにされ、あの手塚治虫作品ですら、一時期はごくごく一部の作品を除いて大半が絶版扱いになるという、いささか行き過ぎな状況を迎えていたのです。

その後、出版物などの自主規制は徐々に緩和されていくのですが、テレビの世界では現在でも尚、人権問題に関わるような発言(単語)は厳しく制限され、もしも誤って電波に乗ってしまった場合などは即座にお詫びをしていますよね。

このCMにおける「○○○○」は、CMの内容から言っても全く別の意味で使われているのだと思います。それでも「○○○○」は、同時にある特定の人種も指してしまうために、このように他の意味合いまでも抹殺されてしまうというわけです。

『三好流水プール』が閉鎖されたのは90年代初頭とのことで、おそらくこの問題に遭遇することなくCMも役目を終えたということになります。しかし、今後もしこのCMに何らかの光が当たった場合でも(その可能性は限りなく少ないですが)、オリジナルの状態で我々が目にすることは完全に出来ないでしょう。私も今回「○○○○」という形で言葉を伏せざるを得ないくらいですからね。
著者近影(ウソ)

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